2013年10月2日水曜日

サマースクール復習その1


内容

  • 相対論的量子電磁力学の数位
ディラック作用素、ディラック方程式の局所ゲージ不変性の説明、
クーロンゲージ、ローレンツゲージのもとでの正準量子化の説明、
自由場の場合の量子場の構成の説明、 がされていた。 相互作用を含むモデルを構成するのは難しい、ということ。
  • 共形場理論と作用素環
代数的量子場の理論の一つとして、共形場理論を作用素環の観点から、
局所共形ネットと言う形で構成している。
局所共形ネットがLie群の類似、頂点作用素代数が対応するLie環の類似、
という説明があった。
頂点作用素代数を、より代数的に、複素数体上の1変数冪級数体上で構成する、
頂点代数(Vertex algebra)があるが、
頂点代数からchiral algebraおよびそれと同等なfactorization algebraが構成できる。
(しかし、頂点代数が局所的なものであるのに対して、factorization algebraは大域的なものなので、
必ずしも任意のfactorization algebraから頂点代数が構成できるわけではない。)
factorization algebraは、factorization spaceから線形化の操作、
すなわち特別な切断を与えて、そこからのズレを測ることで構成される。
したがって、局所共形ネットはfactorization spaceの類似、と思えるのだろう。
factorization spaceの構成は、Beilinson-Drinfeld Grassmannianを構成する、という自然で幾何的な話なので、
von-Neumann環の方ではどのように構成されるのか見てみたい。
さらに、円周上の区間の集まりというと、区間の短点を分岐点として2重被覆させることで、
実超楕円曲線を対応させることができる。
(あるいは、Fuchs群を対応させることができる。)
Segal-Wilsonの方法でHilbert空間内のLagrangian部分多様体が対応するが、
これから局所共形ネットと関係が付くのだろうか?
  • 構成的場の理論
公理論的場の理論の基本的な概念、
構成的場の理論で何を構成しなくてはならないか、
格子正則化、くりこみ
の話。 こういった話で気になるのは、
理論として用意される全体の中で、くりこみによって到達されるのはどの範囲なのか?
というものだが、 それについては、 Renormalization and effective field theory を参考にしてみることとする。
講義の中で、
1. 現在は停滞している
2. 結局、現状では、trivialなものしか出てこない
3. くりこみの計算はとっても大変
といった点が説明されていた。
  • 非相対論的量子場とGibbs測度
Nelson模型、スピンボゾン模型、Pauli-Fierz模型、
といった、自由場と粒子の相互作用のある模型で、
Hamiltonianのスペクトル解析を確率解析を用いて行う、という話。
自由場はガウス過程のようなものなので、相互作用をこめて、
Feynmann-Kac型の汎関数積分表示を行って、ペアポテンシャルの評価をうまく行うことにより、
基底状態の存在/非存在、固有ベクトルの空間減衰性、荷電分布がδ関数に近づくときのくりこみ、
について議論をしていた。
Written with StackEdit.

0 件のコメント: